第二章
はっとラディスが瞼を開くとそこはもうバトルルームではなく、モニター画面の映像で見た通りのステージそのものだった。
強い風が吹き抜け、青い光の玉が彼方より向かいに現れる。それはやがて人の姿を象り、ファルコが姿を現して。
「っと」
風のお陰で少しよろめいたが、自分のすぐ後ろには空が広がっている。復帰の手段を持たないラディスでは即アウトだ。
「おいおい。落ちるなよ」
するとファルコは駆け出して。
「落とすのは俺なんだからよ」
――始まった。
「お前、どっちを応援するんだ?」
バトルルーム。対戦が始まった途端にモニター画面を食い入るように見るフォックスを横目に、クレシスは声をかけた。
「あいつはうちのエースパイロットだ」
フォックスはふっと笑って。
「負けるはずないだろ?」