第二章
ところが、その試合というのは特に見所もなくあっさりとしたものだった。
ルイージの積極的な動きにカービィは思うように攻撃を与えられず、次第に体力を削られ、そのまま負けてしまったのである。
「おい」
その割に涼しい顔をして帰ってくるのだから、クレシスは苛立ちを隠せずにいて。
「んー?」
「お前、何のつもりだよ。あんな」
「僕は普通に戦っただけだけど」
カービィはくすっと笑って。
「それとも、何かな? 僕がこの試合、わざと負けたとでも思ってんの……?」
ラディスはぎくりとした。
そういえば、リンクもルイージと戦って負けていたのである。まさかと思ってラディスがじっと目を見張っていると。
「なぁんてね。冗談」
カービィは小さく息を吐き出して。
「一回戦のはマスターが戦闘能力のデータ取りたいって言うから、真面目に戦ってただけ。リーダーなんて面倒だからねぇ」