第二章
彼は比較的好奇心旺盛で、憎めないところがあるのだと思う。斯く言う自分も、この先の戦いに胸が騒いでいた。
「ま、例外もいっけどな」
「クレシス!?」
そこへやって来たのは昼食を済ませてきたらしい、クレシスである。
「何だよ。お前のこと言ってんだぞ」
そういうことじゃないんだが。
目を丸くするラディスにクレシスはふんと鼻を鳴らし、モニター画面を見つめて。
「お前は初戦だが、勝ち上がってきた奴と戦うんだ。上を目指す、本当に強い奴と」
クレシスは口元に笑みを浮かべる。
「どうなるか見物だな」
モニター画面には次に対戦するメンバーが表示されて。これから先の戦い――ラディスは密かに拳を握り、息を呑んでいた。