第八章
「仲間に対する扱いじゃないな」
「敵性のある初対面の相手には充分な処置だ」
……雨音が響く。
「ただの推測だけど」
遅れて出てきたルイージが口を開く。
「弟なんだろ?」
マスターは答えない。
「聞いたよ。あんた相当の長生きさんじゃん」
よっ、大先輩! なんてカービィがからかったが結果は変わらず。
「何を隠している」
雨降り頻る空の下へ、迷いなく進み出てクレシス。
「全て知っているはずのゲムヲは答えることを躊躇った」
マスターはすっと視線を上げる。
「言え。さもないと――」
「強硬手段か?」
その口振りが挑発を示しているのは明らかだった。
「面白い。百人組手とはいかないまでも、充分な数だ。これからのことを考えれば肩慣らしくらいにはなる」
――宣戦布告を受け入れた? こんなにもあっさり……
「どうした。そうじゃないのか」
マスターはにやりと笑って、あろうことか自身の立場に追い討ちをかける。
「真実を知りたければ全力でかかってこい。“ニンゲン”」