第二章
ラディスはルイージのことを気にかけていた。あの時、廊下で何をしていたのか。
「フォックス」
不意に声をかけてきたのは、トーナメントから戻ってきたばかりのファルコである。
「お前、次だぜ」
「なっ」
フォックスは慌てて席を立ち、最後にコップに残った麦茶を一気に飲み干すと、駆け足で食堂を飛び出した。
「ったく」
ファルコは小さく息を吐き出して、ラディスを見遣る。味噌汁に手を付けようとしていたラディスは視線に気付き、見上げた。
「ん?」
すると、ファルコはにっと笑って。
「次、お手柔らかに頼むぜ?」
食事を終えてバトルルームに戻ると、ちょうど試合が終わったようだった。
ワープパネルから現れたフォックスはラディスと目が合うと、苦笑を浮かべて。
……どうやら負けたらしい。