第八章
なんで。
「ルイージは、」
どうして。
「っ……マリオ」
「すまない」
マリオは辛そうに眉を顰めた。
「限界だ。庇いきれない」
――その言葉に、ラディスは絶句した。
「あいつが無実を証明すりゃ済む話だろ」
全くもってその通りなのだ。が、信じていたそれを裏切られたかのような痛みが胸に鋭く突き刺さってくる。想像もしなかった。赤の他人ではなく今まで一緒に過ごしてきた仲間にその疑いの目が向けられることになるなんて。
「マスターは?」
「出掛けてるみたいだね」
「資料提出がどうとか言ってたから司令塔かもしれないな」
ルイージとマリオが口々に答えるとラディスはふらりとその場を離れて、
「……探してくる」
扉へ。
「ラディス!」
呼び止めたのはファルコだった。
「……その、悪かった。俺」
「気にしないでくれ」
ラディスはぎこちなく笑みを浮かべて返す。
「俺も言い過ぎたから……」