第七章



「う、わ」

あれやこれやと思考を巡らせてぐるぐると目を回していると、フォックスはようやくその目的を掴めた。まさか、あんなことやこんなことをしようってので接近したわけもなく。フォックスの首に手を回して。

「はい」

首元にゆっくり視線を落とす。ラディスが離れるとそれははっきりと窺えた。

「……これ」

――銀色の星型ペンダント。鎖を手に裏面に返して見てみると、ローマ字によって文字が彫られていた。“Radeisu to Fox”……確かにそう書かれているようだ。

「プレゼント」

ラディスはさらりとそう述べて微笑する。

「……ええぇえっ!?」

遅れて叫んだ。

でも、だってと様々な台詞が喉を引っ掻く。だがこれは丁寧に宛先まで彫られた、明らかに自分へ向けられたものなのだ。しかしその意図が全く掴めない。

誕生日、記念日と理由は数あるだろうがそれほどの付き合いというわけでは。

「俺があげたくなっただけだよ」

フォックスが混乱していることに気付いて、ラディスが補足。

「弟みたいで可愛いから」


……ん?


「お、俺が?」

きょとんとして訊けば、ラディスも同じような様子で返した。

「他に誰がいるんだ?」
 
 
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