第七章
「奥さーん。いるのは分かってるんですよー」
取り立て屋かよ!
「ねえいつもあんな感じなの?」
「あんな感じだな」
「感じでしゅ」
「以下同文」
うわぁ、と声を洩らして呆れたように見つめるカービィに、クレシス、リム、ユウが呆然を通り越して遠い目をしながら口々に答える。
と、その時。
「ちょっとどちら様……」
若い女性の声がして扉が開いた。
鬼が出るか蛇が出るか、と誰もが息を呑んで見張る。まさかこの天然な旦那を尻に敷くようなとんでもない鬼嫁が出てくるんじゃないだろうな。ただ扉が開くだけの映像が何故かスローモーションとなって、心臓の音がゆっくりと響いていく。
そして。
「……え?」
その女性はぽかんとした。
思えば、もう半年も会っていなかったのだ。あの時と変わったのはその瞳が確かな闘志を芯に宿していることぐらい。それ以外は、何ひとつ変わらない。
子供みたいな悪戯も。
「……郵便です」
好きで好きでたまらなかった優しい笑顔も。