第七章



物騒なこと言うなよ、と。

ファルコが肘で小突いては笑いながらからかったが、フォックスも顔では笑いながら心臓がどうも落ち着かなかった。そういう発言がフラグになるというのに。

勘弁してくれよ。……天然のリーダーさん。


「あれっ」

空港に着くと同時に鉢合わせた。タイミングは良好だったようだ。

「皆、荷物は?」
「全員が押しかけるわけにはいかないでしゅからね!」

それでもラディスがきょとんとしていると。

「もう忘れたんでしゅか!」

リムは平手で平らな胸を叩き、えへんと胸を張って答える。

「あたしはライトネル格闘道場の一人娘でしゅよ!」

そうか、そうだった。ようやく理解。

どうやら今回はホテルではなく彼女の実家である道場に宿泊するらしい。道場には広々とした畳の部屋があるし、そこに通して布団を敷き、皆で寝るのだろう。

荷物は既に移動されているようだ。手際の良さには感心を覚える。

「ひぃ、ふぅ、みぃ……」

ラディスは人数を数えて。

「一人足りな……あっ」

いつの間に。ラディスの横にはゲムヲが並んで待機中。

「ん、じゃあ揃ったかな。出発しよう」
 
 
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