第七章



「それはそうとして、こんなところで俺に構ってていいのか?」
「……あっ」

二泊三日。荷物なんてすぐにまとまる。

帰ってくるのが遅いと叱られてしまわぬ内に、自分も簡単な荷物を持って集合地点のエントランスホールへ急がなくては。ラディスは後退しつつ、

「それ、宜しく!」

くるっと背中を向けて、扉に額をぶつける。後ろでくすっと笑う声がした気がしたが気にしない。すぐに扉を開き、廊下に飛び出す。

「うわっ」

声を洩らして回避。ある少年とぶつかりそうになったのだ。

「り、リンク」
「そそっかしい人ですね。皆さん待ってましたよ」

それで呼びに来たのか。

「にっ荷物を取ってくる!」

すぐに行くから! と続けてラディスは階段へ。もちろん、エントランスホールの側でなく近くのものを選び、駆け上がっていったが。

「……、」

それを暫く眺めた後で、リンクはマスターの部屋の中へ。


「行儀が悪いな。ノックもしないのか」

マスターは相変わらずパソコンと向き合っていた。

「……その形(なり)で。本物ならもっと礼儀正しいはずだが」
 
 
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