第七章
ラディスは小さく息を吐き出した。
「……ということなんだ」
ここは食堂。誰もが立ち入る時間帯、重要な話があると持ち出して。
冒頭でマスターと話をしていたのはラディスだったのだ。あまりにも深刻そうな顔をするので息を呑んで目を見張っていれば。はあ、と呆れて誰もが溜め息。
「ラディス」
「ん?」
「三日間の休暇を取ることの何が問題なんだ?」
マリオはテーブルに頬杖をついた。
――そう。これは何もそれほど重要な事柄ではない。
彼が言ったように。今回、ラディスは初めて三日間の休暇を取ったのである。
「や、だって一応リーダーだし」
ラディスは相変わらず暗い調子でぶつぶつ。
「忙しくなる時期を前にして、それもメンバーを差し置いて休暇を取るなんて」
「そんなの、気にしなくていいじゃないですかぁ」
ヨッシーは苦笑して、
「リーダーくらいいてもいなくても変わりませんよぉ」
「あんたそれフォローてか追い打ち……、あ」
気付いた頃には時既に遅し。
「はい……普段から役立たずです足手まといですすみません……」
先程より重たいオーラを背負って、テーブルに顔面を伏せるラディス。
「いつまでもうじうじすんな。さっさと荷物まとめろ」
冷たい水の入ったグラスをラディスの頭のすぐ横に手荒く置いて、クレシスは鋭い視線の元見下ろす。……そういえば、彼も同じく休暇を取っていたのである。