第六章



「ぅ、けほ……」

うつ伏せに倒れていたリンクは腕を立ててゆっくりと体を起こした。

「皆さん、無事ですか……?」

ふと、ラディスは自分の隣にマルスが倒れていたことに気付く。その近くにはあの大砲も転がっていたが、予想通り大破していた。

「マルス」

肩に触れて揺すり名前を呼ぶと、幸いなことにマルスはすぐに意識を取り戻して。

「……うっ……カービィ、は……?」

ラディスは辺りを見回してみる。

……カービィは少し離れた位置でうつ伏せに倒れていた。その上で十字に重なるようにして、マリオがうつ伏せになっている。

「ぐええ……酔ったぁぁ……」

酔うものなのか。

「てーか重っ……誰……」
「……んぉ、お?」

カービィが苦しそうに呻くと、遂にマリオも意識を取り戻した。

全員、無事だったようだ。残すはこの惨状。


――ようやく砂煙が晴れてきた頃、意外と近くにクロガネ含めドクドクロが倒れていたことに気付く。その中にはバーナード氏もいた。そうだ、ゲムヲは?

「ラディスっ」

リンクが呼ぶのも聞かず、ゲムヲを見つけたラディスは立ち上がると急いで駆け寄った。彼は、変わらず横たわったままである。

「……ゲムヲ?」

返事はない。

気絶? それとも、……いや、考えすぎだ。しっかりしろ、自分。
 
 
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