第六章



「救いはないんですか!」

そう言って、リンクはそもそもの原因であるラディスを見遣る。

「赤信号。皆で渡れば、怖くない」
「三途の川渡ってどうするんですか!」
「アウトだからな! 赤信号ってアウトだからな!?」

青ざめた顔で句を読み上げるラディスをリンクとマリオが全力で突っ込む。

避けてくれ。いや、止めてくれ。様々な想いが喉に突っかかり、吐き出されないまま――結局はどうすることも出来ずその場で慌てふためいていた敵勢に。

「あああぁああっ!?」

到達、そして激突。――見事な最期だった。


それは非常に呆気なく。

彼ららしく、……馬鹿らしく。


「あ、たた……」

ようやく大砲が止まってくれた。

砂煙の中、ラディスは頭を抱えて上体を起こす。いや、酷かった。


あれだけかっこいいようなこと言っといて。覚悟を決めて、瞳に闘志を燃やして、最終必殺技を繰り出した結果がこれだもんな。

……分かるよ。さすがの俺でも分かる。


かっこ悪すぎるだろ!
 
 
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