第六章
クロガネの足下の地面に黒い魔方陣が浮かび上がる。
一方でドクドクロ達はその場に跪き、地面を押さえるように両手を置いて。どうやら団長の為に媒体となり、強力な魔法を放とうという魂胆らしい。
「正義に嘘も本当もあるか!」
そう言い放ったのはマリオだった。
「俺たちはただ、自身の想いに嘘をつきたくない」
差し出した手のひらにぼうっと炎の玉を作り出して。
「それだけなんだよ!」
――これが俺たちの答えだ。
「爆誕せよ! 正義の鉄槌!」
赤く燃ゆる尾を引きながら、薙ぎ払う。
「ファイアキラー!」
炎は、一度五人全員の周りを円を描くようにして走り、すっぽりと包み込んだ。やがてそれは派手に弾けると、マリオの目の前に大砲が姿を現して。
「……!?」
「ダメ元でやったら何か出来た!」
赤を基調に、白のラインが入った大砲。
ヒーローショーで扱ったものと全く同じデザインだ。まさか持ち出したはずはないのだから、よく分からないけれど有り難く使わせていただくとしよう。
「エネルギーは大丈夫なのか?」
「ま、どうにかなるだろ」
マリオはふっと笑みをこぼして、
「――焔。それは迅雷の如く光の束となりて。鋭い闘志の元、襲撃する」
左手を前に突き出し、叫ぶ。
「穿て! バーニング・ストリーム!」