第六章
初めからそうだった。
誰かを傷付けないやり方なんてないんだ。
それなら、俺が傷付いても構わない。
差し出すのはその身じゃない、傷付く覚悟だ。
己の意志を尊重しろ。今までそうやって生きてきた、自分自身に誇りを持て。
――貫き通せ! 正義を!
「ドクドクロ団団長クロガネ! そこまでだ!」
瓦礫の後ろから飛び出したラディスは、勢いよく指をさした。
「現れたな……」
クロガネはマントを翻し、振り返る。
「バトレンジャー!」
遅れて飛び出してきた四人は横並びになると、構えた。
「だああっ結局こうなるのかよ!」
「すまないな。巻き込んでばかりで」
「それを今更言うな! いい加減慣れたわ!」
マリオはクロガネを睨みつける。
「……先に言っておく。俺たちはかーなーり、強いぜ!」
「フルボッコにするけどいいよね? 答えは聞いてないっ!」
「ちょっとくすぐったいかもしれないよ……?」
「ふふ、痛みは一瞬です」
ラディスは言い聞かせるように。
「リスペクト……パクりじゃなくて、リスペクト……」