第六章
リンクはぱちんと指を鳴らす。
「上から来ますよ、気をつけて!」
地面に突き刺した剣の柄から細く青白い光の柱が空に差した。
「グラディウスレイン!」
青白い光が空を駆けて渦を巻き、次の瞬間には剣を象った光の刃たちが雨のように地に降り注ぐ。それは躱す余裕など当然の如く与えず、ドクドクロは。
「ぐああぁあーッ!」
なんだかんだで四戦目である。
ヒーローショーでドクドクロを演じている人間はもっと少なかったような気もするのだが。となると使い回しだろうか。苦労してるんだなあ……
「此方の事情を見透かされている気がします」
リンクは地面から剣を引き抜いて鞘に納める。
「じゃあ、こいつらはそれを知って先回りしたってのか?」
「誰の命令かは存じ上げません。が、誘い込まれてるような気もします」
その時、ドクドクロの傍らに屈み込んでいたカービィが戻ってきた。それまで話していたマリオとリンクが視線を向けると、首を横に振って。
「やはり喋りませんか……」
「よほど口止めされていると見たな」
ラディスとマルスも戻ってきたが、結果は同じだった。
「時間稼ぎでしょうか」
「だったらもっと殺しにかかるっしょ」
「必殺技で倒してくれーってのも普通は頼まないしな……」
「それであっさり突破を許すのも気掛かりだね」
四人が口々に話す中、ラディスだけは首を捻って。
「俺は楽しいけどなあ……」