第六章
森を抜けると、昨日と変わらない廃墟の町が広がっていた。森の中を走っていた時は辺りを薄暗く感じたが、今日は空がこんなにも青く澄み渡っていたなんて。
……それなのに。ずっと胸騒ぎがしている。
「じゃ、探しますか」
そんな様子のラディスにも構わず、ぐっと腕を伸ばしてカービィ。
「ここまで来たらどっち探しても同じっしょ」
……同じ、か。
「ラディス」
不意に声をかけられて。ラディスは振り向く。
「早く見つけよう。……その」
マルスは遠慮がちに視線を向けた。
「彼の、為にも」
名前を呼んで探すわけにはいかなかった。どちらが出てくるか分からなかったからである。しかしこうして口にしないまま警戒するということは、皆最悪の可能性を踏まえているということだろう。
そんなはずはない、と言い聞かせたいところだが。ラグナの町の近くにある森も、そこを入ったら最後抜ける先もひとつしかないのである。
「ん?」
と、マリオ。皆、釣られて立ち止まった。
「えっもう見つけたの?」
「いや……まあそうなんだが」
はっきりしてくれとマルスが突っ込むよりも先に、マリオは指差した。それが別に酷く慌てた様子でもないので、疑問符を浮かべて指差した先を恐る恐る見てみる。