第六章



……選択の権利は、彼にある。

「ゲーム&ウォッチ」

そう呼ぶと、彼は再び首を傾げた。

「DX部隊になるということは今まで過ごしてきたこの町を捨てて、世界と戦うということなんだ。俺たちは千人も二千人もいるわけじゃないから、助けられない命だってある。君がこれまで経験してきた理屈が全て通用するわけじゃない……そんな理不尽な世界を相手に、戦わなきゃいけないのが俺たち戦士なんだ」

ラディスはゲーム&ウォッチの肩を強く掴んで。

「君に、その覚悟はあるかい?」


――笑うな。

ヒーローになれば、この研究所の子供たちだけじゃない。世界中で苦しんでいる人々を助けることができる。本当の意味で、平等な世界に変えてやれる。


それに、俺は。

お前だって助けたいんだよ。


「……戦う」

次にゲーム&ウォッチが顔を上げた、その瞳に差していたのは。

「守る、したいっ!」

折れず曲がらずしたたかな。希望を宿した戦士の光――
 
 
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