第六章
「それで」
リンクは不自然なくらい満面の笑みで。
「あの“馬鹿”は一体何処へ行ったんでしょう三十文字以内でお願いします」
テーブルの上に頬杖をついて、刺々しく台詞を吐く。彼の機嫌が悪いのは無論、二日前のゲーム&ウォッチとの接触に成功したその時からである。
「へぇーまだ根に持ってるんだ?」
その隣でカービィはにやりと笑ってリンクの頬をつつく。
「……ま、確かに予想外の展開だったし? 作戦とはいえ一度信用を置いた相手に、それもほぼ無言でぼっこぼこにされりゃあんただって子供なんだしそりゃあ」
リンク、終始笑顔を崩さないまま。面白半分に、わざとらしい口調で語りながら自分の頬をつつく鬱陶しい人差し指を握り、ぎりぎりと力を込めながら。
「何か……言いましたか……?」
「いいいっ痛い痛い! やだなにこの子怖いっ!」
カービィは慌てて指を引き抜く。
「っつう……」
「そういや昨日もいなかったよな?」
気付いたようにマリオ、辺りを見回して。
「いいんです、別に」
リンクはふふっと肩を竦めて笑う。
「どうぞのたれ死んでてください」
「恐ろしい子……っ」
「子供にここまで言わせるラディスって逆に凄いんじゃないかな」
あはは、とマルスは苦笑い。
「……ラディス」
本当、何処に行ったんだろう――