第六章



あの廃墟の町まではそう遠くなかった。

「これで見つからなかったら」

リンクはふ、と笑み。

「滅多刺しにします」
「御愁傷様です」
「せめて助けようとしてくれ」

その発想が恐ろしい。手を合わせるカービィにラディスはさらりと突っ込む。

森を抜けると、待ち侘びてたかのように涼しい風が吹き抜けた。月明かりにぼんやりと照らされて闇に浮かぶ廃墟の町は、今にも何かが飛び出してきそうな雰囲気を醸し出して不安を煽っている。ただ不気味でしかなかった。

「……行こう」

ラディスは少しの間を置いて歩きだす。


もちろん、あの少女がここに現れるという確証はなかった。それでも、もしかしたらと期待を抱いて目を走らせる。彼女は、一体何処に潜んでいるのだろうか。

突然、思いも寄らない方向から攻撃が飛んでくるかもしれない。彼女の目的が不明なのでこれも単なる推測でしかないが敵じゃないとは言い切れないのが現状だ。

「まっくろくろこちゃーん。でっておーいでー」

これはまたセーフラインぎりぎりを攻めてくれるな。

「出ないと……」
「うん?」
「頭かち割って脳味噌引きずり出すぞー」

凄まじくアウト。

「やめてください、そんな物騒なこと」
「言っとくがお前もさっき似たようなこと言ってたからな」
 
 
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