第六章
「で、何処に行くんだ?」
廊下を歩きながらマリオが訊いた。
「あの死神の子がいた場所だよ」
その返しに四人は驚いた。
「ちょ、男たちの方じゃないの!?」
カービィが発言したように、あの時子供を攫おうとしていた男たちの居場所を突き止めたのかと思っていたのである。黙って頷き、足を止めないラディス。
「待ってくれ」
視線を受けてラディスの前に飛び出したのはマルスだった。
「……それはできない」
「彼女が。死神だからか?」
協力してやれない理由がある。
確かに、いずれはその死神とやらに行き着くことになるだろう。が、自分たちとラディスではその意見が違いすぎる。彼は恐らく、肩を持とうというのだ。
得体の知れない、死神の。
「……分かった」
はあ、と溜め息を吐き出す。自分たちが今更どうこう言ったところで、それを承知で飛び出してきたラディスのことだ。その決心が揺らぐことはないだろう。
「ただし」
マルスは人差し指を立てて忠告。
「僕たちはあくまで保護者。君だけを野放しにすればマスターに叱られるのは明白だから行くんだ。もし、見つけたとして攻撃を仕掛けられたらその時は」
「ま、ま、マルス」
人が大事な話をしてる時に。ラディスが慌てたように指をさすので、マルスは若干苛立ちを感じながらも振り返った。眩い光が襲いかかる。