第六章



皆、何だかんだいって良き理解者である。この頃になるとラディスの思い立ったら即行動! といった悪い癖の扱いにも慣れてきたようなのだ。あれこれ振り回されて余計な体力を使うこともなくなってきたし、注意を促す余裕も出てきた。

「そういえば、町の方に結構洒落たカフェ見つけたんだよねー」
「君はその辺の情報だけは早いな……」
「常時腹ぺこ星人ですから」
「ちょっと。馬鹿にしてんの?」

……彼の影響によるものかどうかはさておき、この四人も心を開いてすっかり周りとも打ち解けてきたのは感心だ。マルスやカービィはその良い例だと思う。

「そんなことないですよ。気のせいです」

とんでもない人だとはよく言っている。それでも、感謝はしているのだろう。

「ふぅん……? ね、ラディス。ターゲット、いないといいねぇ?」

多分。

「今の内に財布の中身でもチェックしとけよー? ラディス」
「か、勘弁してくれ……」


間もなくして森を抜けると、五人は立ち止まった。

目の前に広がるのは、かつて繁栄した町。だけど今は戦争のお陰で土地もすっかりと荒れ果て、見るも無残な姿となってしまった。

所々で服の切れ端やネックレス、破けた靴なんかが落ちている。恐らくここで暮らしていた住民のものだろう。中には薄汚れたぬいぐるみなんかも落ちていて。

「……これ」

リンクはふと、その場に屈み込む。

「触らない方がいいんじゃないかな」
「……でしょうね」


戦争はあまりにも残酷で、それでいて無意味だ。


「ほら行くよ」

マルスに促されて。リンクは立ち上がり、その場を離れた。
 
 
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