第六章
◆第六章『黒の戦士』
ヒーローとは!
空を飛び、地を駆け、時には海を越え……
困っている人があればそっと救いの手を差し伸べ、非道を企む悪い輩があれば拳を振るい正義の鉄槌を下す。即ち、ヒーローとはいついかなる時も正義の味方!
「この世に蔓延る悪の全て。決して見逃し、許しはしない!」
マイクを通じて、会場に何者かの声が響き渡る。
「くっ、誰だ!」
ステージに設置された装置から五色の煙がいっぺんに噴き出す。黒服の男がそれに怯んでいると、煙が晴れた頃、観客席からは子供たちのきゃあきゃあと騒ぐ声が上がった。ステージの両端に設置されたスピーカーから軽快な音楽が流れ始める。
「炎が使い! ファイアレッド!」
まずは真ん中の男、台詞を叫び、振り返って。
「雷が使い! ボルトイエロー!」
続けてその向かって右の男。
「剣が使い! ナイトブルー!」
対象的に左の男。
「星が使い! コスモピンク!」
可愛らしくポーズを決めて、更に左の女。
「神々の万物が使い! フォースグリーン!」
一番小柄な男、女とは対象的に右。
「五人合わせて!」
声を揃え、四人は真ん中で構えるレッドの元へ。
「スペシャル戦隊!」
ステージの装置。集合した彼らの背後で大きな音を立てて爆発の演出。
「バトレンジャー!」