第二章
大声を出したのはルイージだった。
「……何で?」
カービィはテーブルに頬杖を付いて。
「だって、戦うってことは皆を知る機会だし。言葉で解決しちゃ、駄目だと思う」
勢いで席を立っていたルイージは終始顔を俯かせていたが、話し終えると椅子に腰を下ろした。カービィはくすっと笑って、
「ま、誰かさんみたいに戦士に向いてない奴が分かる、いい機会かもねー」
彼が視線を送った先には、案の定ラディスがいた。クレシスは肘で小突いて。
「ご指名だとよ」
「ん」
朝食を食べていたラディスが顔を上げる頃には、カービィも目を逸らしていた。
クレシスは溜め息を吐いて。
「戦闘能力を分析したデータを提出するようにと上からの命令だ。参加するように」
マスターは立ち去る直前に、一言。
「逃げるなよ」