第五章
「あー! またあのコスプレおバカ!」
と、ここでユウやドンキーと一緒にリムまでやって来た。
騒ぎの噂はどんどん広まっていき、いつの間にか二人を取り囲むようにして殆どのメンバーが勢揃いしていた。遊び事とは到底思えない雰囲気なので、誰もが静止させようと声を上げる。その一方でラディスが硬直が解けないまま。
「リンク! あんた剣士やったら間入って止めたれ!」
「無茶言わないでくださいよ!」
「いや冗談抜きで誰か止めろって!」
「このままじゃ本当に大怪我しちゃいますよぉ!」
本気で剣と剣がぶつかり合っているのだ。下手に飛び込んで止めようとすれば自分が怪我をするかもしれない。しかし、だからこのままというわけには……
「いっそのこと飽きがくるまでやらせておけばいいのだ」
「殺生な奴だな! 魔王ならその威厳で止めてやるものだろう!」
「貴様とて。その肩書きは飾りか」
双方、譲らず。金属音は鳴り止まない。
「はっはっは! 若いな!」
「言ってる場合じゃないわよ!」
ラディスはゆっくりと拳を握って。
「ど、どうしましょう……!」
「きききっ、救急車!」
「まだ怪我してないから!」
「……い」
すうっと息を吸い込む。
「じゃあどうすれば」
「いい加減にしろおおお!」