第五章
――このパターンは。
「がっはっは! そんな魔物、我が輩が捻り潰してくれるわ!」
もう悪意しかない。
「信用ならないな。図体がでかいだけってわけじゃないだろうね」
「何を言うか! いいか、我が輩は大魔王だぞ!」
人一倍やる気を見せているのはクッパ。その隣にはガノンドロフ。
「でかいのは図体だけじゃないみたいだね」
呆れたようにそう言って小さく息を吐き出したマルス、ふと待機中のラディスを見遣った。ぎくり、肩を跳ねさせればマルスはにやりと笑って早足で接近。
「な、何か……?」
するとマルス、すっと手を差し出して。
「僕の初仕事だから。ご指導よろしく頼むよ、リーダーさん」
これはこれはご丁寧に。彼も緊張しているというわけか。途端に肩の力が抜けたようで、ラディスは「こちらこそ」と安心したようにその手を握る。
ばちっ! と青い閃光が走った。
「静電気誘発小型金属パネル」
マルスが手を離すと、ラディスの体がふらりと揺らいだ。握手をした右手を左手でぐっと握って、痛みに悶えながらその場に両膝を付き、うずくまる。
どうやら声にならないらしい。
「使い捨てにしては上出来だね、ロイ。商品化しようか」
「そ、それはどうだろ……」
一部始終を見守っていたフォックスとクレシスは。
「そんなに痛いのか?」
「常日頃から大量に溜め込んでる電気を一部分から放出させられりゃあな」
……恐ろしい。