第五章
一方、外の方ではリム達が鬼ごっこを楽しんでいた。
「せぇいやー!」
……子供がするような遊びには見えないが。
「ぐふっ!?」
鬼役のリムは逃げていたドンキーに飛び蹴りをお見舞いすると、地面に倒れてひくひくと痛みに悶えるドンキーの前に屈み込み、ぽんとその体に手を置いて。
「はい、タッチ」
「そんなん有りかい!」
納得がいかないのかドンキー、飛び起きた。
「蹴りはあかん! 無しやろ! 今の無し!」
「男の子が文句言っちゃ駄目でしゅ!」
と、そう話してる隙にドンキーはリムの肩をぽんと叩いて、
「隙ありぃー!」
「あーっ!」
立ち上がって一気にダッシュ。
「ばか! おたんこなす! ずるいでしゅうう!」
「これがピンポンダッシュで鍛えた成果や!」
「待ぁてえええっ!」
参加者であるリンクとユウは肩を並べて、その行く末を見守る。
「平和ですねぇ」
「くだらない……」
ユウは呆れたように息を吐き出す。
「可愛くないなー」
「っ!?」
その時、二人の後ろに現れたのは近くで昼寝をしていたカービィである。
「もう少しさー。こう、にこって笑ってみたらどうなの」
「よ、余計なお世話……っ」
カービィが後ろから頬っぺたを左右に引っ張るのでユウはじたばた。それを隣で見ていたリンクは当然のことながらくすくすと笑って。