第五章
ラディスが食器を下げようと受取口へ向かうと、そこには先客がいた。
「お粗末様でした!」
「でしたっ!」
アイスクライマーのポポとナナである。
「これならヨッシーも大助かりだね」
「はい。お昼と夕方はカービィや姫様も手伝ってくれるんですよぉ」
ラディスは受取口の台の上に食器を乗せたお盆を置く。
「お、やっと起きたみたいだな」
「おはよう、ラディス」
気付いたマリオとルイージが声をかけるので、ラディスはにこり。
「ああ。おはよう」
……それにしても、だ。
ここに所属している隊員は年齢の読めない連中ばかりである。マリオとルイージはあんな特徴的なヒゲを生やしておきながら二十歳だし、斯く言う自分も二十四だと明かした時には酷く驚かれた。変だな、童顔じゃあないはずなんだが。
「どうしたんだ? 急に黙り込んで」
「いや、……ヨッシーって何歳なんだ?」
当の本人が流し台の前に立って食器を洗っている隙にこっそりと訊ねてみる。
「そうだなぁ……」
「僕と兄さんが赤ん坊だった頃、面倒を見てもらっていたからね」
えっ。
「ちょっと待ってくれ。少なくとも十五か十六くらいだと予想していたんだが」
「どうだろうな。姿形は今も昔も全く変わってねーし」
「もしかしたらラディスより年上かも」
やっぱり、ここの連中は年齢設定がおかしい。