第四章-後編-
三度地面が揺れるともう限界だった。
二人掛かりとはいえ、年端も行かない子供だ。揺れる度にガノンドロフの体は下へと引っ張られ、重みで腕に負担がかかる。リンクは小さく呻き声を洩らした。
「……やめろ」
ガノンドロフはぽつりと口を開く。
「揃いも揃ってこの魔王に構ってくれるな。煩わしいわ」
その口調はどちらかといえば穏やかで、説得しているかのように聞こえた。
「っ……どうして……そうやって、貴方は……」
ゼルダは何とか引き上げようと腕に力を込める。
「生きたく、ないのですか……!」
「……言ったはずだ」
ガノンドロフは続ける。
「屈辱を背負って生きるつもりなど毛頭無い、と」
変わらない意志。
「っ……」
それが、力のトライフォースを伝承する魔王の答え。
「……それでも」
リンクはぐっと腕を掴む。
「今日を待ち望んで生きてきた……っそうでしょう……!?」