第一章
早速、今日からお世話になる自分の部屋へ向かったラディスは、荷物の整理をしていた。家具は元から用意されているし、後は自分好みに模様替えするだけだ。
「入るぞー」
ノックもせずに扉を開き、入ってきたのはクレシスである。ラディスは手を止めて。
「もう終わったのか?」
「いんや。馬鹿なお前にプレゼント」
そう言って彼が差し出したのは、この屋敷の間取り図だった。成る程、これには他のメンバーの部屋の場所まで載っている。
「どうやって……」
「ユウが前以て調べといたんだと」
……子供の癖に。
「お前、すぐ迷子になるからなー」
「うっ」
訂正。ありがとうございます。
「た、大切にするよ」
ラディスは苦笑を浮かべながら紙を受け取ると、折り畳んでベッドの上へ。