第四章-後編-



そう叫んだダークリンクが剣を横に払うと、突き破られた天井や窓を突き破って翼の生えた真っ黒な魔物が飛び込んできた。続けて、部屋の扉を壊して現れたのはゴブリンタイプの魔物たちと、その親玉と思われる斧を持った一つ目の巨大な魔物。

「……上等!」
「へっ、体力を温存してきた甲斐があったぜ!」

棍棒を振り上げて襲いかかってくる魔物に、フォックスとファルコは口々に言って応戦。一方で魔物は床からものっそりと起き上がるようにして生えてくると、近くにいたマリオやカービィに襲いかかった。こいつは体が黒くて脆い辺り、影で生成されているらしい。

「ちょっと! 巻き込まないでよ!」
「仕方ねえだろ! こいつら、親に似て殺せりゃ誰でもいいんだ!」

カービィは眉を顰め、剣で魔物を斬り捨てる。

「……最っ悪!」

――同時に、ラディスは空の敵と応戦していた。

「くっ」

応戦中に回り込んで襲いかかろうとする魔物には、クレシスの稲妻が容赦なく放たれる。彼は、ゼルダを抱えているのでまともには戦えない状態だった。

「すまない、クレシス!」
「ちっ……いいからさっさと片付けろ! そんな――」

と、気付いたクレシスは目を開く。

「ラディス、上だ!」

振り返り、頭上に影が差す。ラディスは瞬時に飛び退いた。

「――よお」

ヴァルバジアの背中から飛び降りてその勢いのままかつてラディスがいた位置に剣を突き立てたのは、言うまでもなくダークリンクだった。片膝を付いた彼は剣を抜きつつゆっくりと立ち上がり、にやりと口角を吊り上げて打ち払う。

「存分に楽しもうぜぇ? 隊長さん」
 
 
67/82ページ
スキ