第四章-後編-
「まあいいか」
ダークリンクは呑気にもヴァルバジアの背中に腰を下ろす。
「化け物同士、仲良くしようぜ?」
「断る。てめえと一緒にされてたまるか」
「おっと。またふられちまった」
そう言って向けられた視線の先にはカービィがいたが、彼もふいと顔を背けて反抗の態度を示した。ダークリンクは、それでもにやにやと笑っていたが。
「死に損ないが、何用だ」
「よう、魔王。あんたには色々世話になったな」
くくっと憎たらしく喉を鳴らして続ける。
「分かるだろ? もう用無しってことだ」
誰も口を開かないのを見て、ダークリンクは膝の上で頬杖をついた。
「面白おかしく説明してやろうか? 俺はな、生まれ変わったんだよ」
今までは壊すことでしか己を満たせなかった。すぐ目の前に神々の万物とやらが転がっていようとな、俺にはガラクタに過ぎなかったんだよ。だってそうだろ?
そいつを捧げて何になる? それでバッドエンド、この世は地獄行きだ。使い古された俺は用無し、後はこの身が朽ちるだけ。……それならいっそ、魔王の目が触れる前に壊しちまおうってわけ。くくっ、そんくらい当たり前だろうが。
どうせ自分の物にはなんねーんだからよ。
「だが、俺は生まれ変わったんだ。魔王に繋がれていた鎖は解かれた。確かに使い勝手は良くねぇが、決して脆くはない。だったら、この俺が何をすると思う?」
ダークリンクはおもむろに剣を引き抜くと、立ち上がった。
「あんたらが血の紋章だと嘆いたそれを、この俺が貰い受けるってことだよ!」