第四章-後編-
フォックスが視線を遣ると、ファルコは小さく舌打ちをして構えを解いた。
「……リンク」
そんな時、ラディスが声をかけた。リンクはそれまでガノンドロフの元へとゆっくり歩みだしていたが、振り返らないまま、ぴたりと立ち止まって。
「戦場において一番愚かなのは、誰かの為に命を投げ出す奴なんだ」
リンクは口を閉ざしている。
「さっきの発言然り」
ラディスは言い放った。
「死ぬくらいなら――死ぬ気で戻ってこい!」
――信じてるからな! リンク!
しん、と辺りが静まり返った。気がした。
「……はい」
無茶苦茶だなんて思っていない。元より、そのつもりだ。だから、言いたいことは全部、戻ってきたら。……そういうことでいいんですよね?
リーダー。
「お戯れは済んだようだな」
「ええ。――お待たせしてしまったようですみません」
ある程度の距離を保ちながら、リンクは剣と盾を構える。
「お手合わせ、願います」