第四章-後編-
ダークリンクは力強く腕を引くと、剣を横に構えた。
「そんなの! ヒーローお得意の綺麗事だろうが!」
薙ぎ払い。カービィは先読みして踏み込むと、その場で跳び上がりつつ後転。攻撃を躱して着地、即座に詰め寄る。
「確かに、あんたの言う通りかもしんない」
ダークリンクは目を開いた。
「――それでも」
カービィはにやり。がら空きの腹部に蹴りをお見舞いし、反動で手放したダークリンクの剣に手を伸ばす。柄を掴んで逆手に持ち、鳩尾を突いて追撃。
「ッが」
「あいつはただ単純に、誰かの為に戦いたいってだけなんだよ」
続けて持ち直し、斬り上げる。
「きっと、その為の命だと思ってる」
――こんな僕にさえ居場所をくれた。
そんくらい、馬鹿な奴だから。
「自分の為だけに生きてきたぼっち君には少し難しかったかな?」
くす、と笑ってカービィはその場に尻を付いたダークリンクの鼻先に赤く染まった剣先を向けた。ダークリンクは斬りつけられた腹部を手で覆い、睨みつける。
「……教えてよ」
カービィはすっと目の色を変えて。
「魔王は何処にいる?」