第四章-後編-
剣と剣がぶつかり合う。互いの息も上がり始めた頃。
「っは……馬鹿らしいとは思わねえのかよ」
接戦。ぎりぎりと押し合いながらダークリンクはにやりと笑って口を開いた。
「命なんてのは消耗品。何よりも大事なモンだってことくらい、分かるだろ」
カービィは構わず、踏み込む。
「誰だって自分が可愛い。優先したい。……あの餓鬼だって同じ」
ダークリンクはそこまで言って一瞬腕を引いたかと思えば、左下から右上に向かって剣を打ち払った。金属音が鳴り響き、カービィの剣が宙を舞う。
「よく出来た駒だよ。あんたら、感謝されてるぜ?」
カービィは顔を顰めた。
「身代わりになってくれてありがとうってなぁ!?」
舞う鮮血に誰もがはっと息を呑んだ。
「カービィ……」
ラディスは目を開き、ぽつりと声を洩らす。
「……そんなんじゃないよ」
右脇腹から左肩に向かって大きく斬りつけられてしまったカービィだったが、次の一撃が来る前にダークリンクの腕を掴み、止めた。ぽつりと声を洩らして。
「うちのリーダーはそこまで馬鹿じゃない」
カービィは睨みつけ、言い放つ。
「欲しいのは感謝なんかじゃない!」