第四章-後編-
確かに、時間はかけられない。……だけど。
「ッ!」
――だからこそ、振るう刃に迷いはない!
「驚いた。ここまで剣に重みがあるとはな」
瞬時に距離を詰めてからの斬りかかりを難無く剣で受け止めながら、ダークリンクはくくっと喉を鳴らした。体勢を崩してやろうと腕を引くが、それよりも早く気付いたカービィは後方に飛び退き、そこから再び飛び出しつつ突きを繰り出す。
「けっ、早ぇなあ」
それまでにやりと歪んでいた口元がひく、と動いた。
叩き落とすように剣を交えて突きを下に流したが刹那、がら空きの本体を殴られまいとカービィはもう一度蹴り出し、勢いをつけて前方に飛び込んだ。地面を一回転して立ち上がりつつ振り返り、三度飛び出す。ダークリンクは顔を顰めて。
「へえ、あんたもそういう顔するんだ」
――デスマウンテンで会った時、何となく悟ってはいたが、こいつ。
「割と好みかも」
間違いない。剣の扱いに慣れてやがる。
「てめえ……っ」
次の薙ぎ払いを剣を縦に構えて受け止めながら、ダークリンクは睨みつける。
「別に隠してたわけじゃないけどね」
カービィはぐ、と踏み込んで。
「こんなに役に立つなんて思わなかったからさ」