第四章-後編-
次の瞬間――ラディス達を囲うように黒い影が水面に幾つも浮かび上がり、それがゴブリンタイプの魔物に化けて襲いかかってきた。恐らくはこれも彼の能力だろうが、作り出したのはあくまで低級の魔物。
「ちっ!」
すかさずファルコが銃弾を撃ち込むとあっさり消滅したが、魔力の消費も低コストなのかそれらはすぐに復活した。ダークリンクはじっと見つめている。
「っ大方、こっちが体力を消耗したところを、っはあ!」
マリオは魔物を蹴り飛ばして。
「くっ……そのようだ」
青い稲妻を放った後で後方に飛び退き、ラディスはマリオと背中合わせに構える。
「っ切りがねえ!」
「こうなったら残りの銃弾を全部あいつに――」
そう言ってフォックスが銃口をダークリンクに向けた、その時。
「カービィ!」
駆け出したのはカービィだった。
「うっさいなあ! 余裕ないんでしょ!」
カービィはそう返して鞘から剣を引き抜き、振るう。
「こいつは僕が片付ける!」
強く踏み出し、低く跳ぶようにして接近。にやりと笑ったダークリンク目掛けて剣を力強く振り下ろし、直後に金属音が鳴り響く。カービィは舌打ちをして。
「……いいぜ。相手してやるよ」
即座に押し返し、ダークリンクは剣先を向けて構えた。
「あいつらがバテて喰われるのと、どっちが早ぇだろうなあ?」