第一章



青年が遠目に眺めていた他のメンバーの所に戻ったのを見て、ファルコは舌打ち。

「あいつもDX部隊かよ……」
「ファルコ」

フォックスは苦笑気味に宥めて。

「今の彼、戦士に拘りがあるみたいだね」
「そういう考えの奴もいるだろ」

別のメンバーに声をかけられようが素っ気なく返している先程の青年を目に、ラディスとクレシスは口々に呟いて。

「でも、ま。お前なら放っとかないだろ」
「ご協力、感謝します!」

その時、ようやく人混みを抜けてきた警官らが男の回収に現れた。頭を下げる警官にラディスはにこやかに返し、振り返って。

「……何か言ったか?」


拳骨。


「お前、それ友達無くすぞ」
「言ってろ」

頭を抱えてその場に屈み込むラディスを横目に、クレシスはふんと鼻を鳴らした。
 
 
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