第四章-後編-
次の瞬間――高々と金属音が鳴り響いた。
「っ……てめえら」
ダークリンクは顔を顰める。
「何処まで俺の機嫌を損ねりゃ気が済むんだよ!」
振り下ろされた剣を受け止めたのはクレシスだった。
もちろん、素手ではない。ぎりぎりと押し合う彼の手にはしっかりと、白銀の光沢が美しい剣が握られていた。
クレシスが負けじと踏み込むと、ダークリンクは小さく舌打ち、後方に跳び退いては険悪なオーラを纏って睨み付ける。
「……その剣」
ユウはようやく口を開いた。
クレシスは、ラディスと同じように稲妻を結晶化させることが出来ない。咄嗟の判断でリンクの背負っていた鞘から剣を引き抜き、それを構え、応戦したのである。
「いいから下がってろ」
クレシスはユウを横目にそう告げて。
「……なあ。いい加減にしろよ」
ダークリンクはふらりと一歩、踏み出した。