第四章-前編-
ばちばちと音を立てながら青みを帯びて光輝くそれは、紛れもない稲妻で。
「っ……そりゃどうも」
ラディスはそれを体外に留めて結晶化させ、剣を象っていたのだ。……端から聞いているととんでもない特技だが。
「く、っ」
それでもそれは結局、実物には敵わない紛い物。ダークリンクが踏み出せばいとも簡単に押し返され、ラディスは飛び退く。
「ラディス! そいつの狙いはっ」
「分かってるよ!」
クレシスの呼びかけに応えつつ、跳び上がったダークリンクを視界に捉える。
振りかざされた剣が真っ直ぐ振り下ろされると、ラディスは稲妻の結晶を横に構えて受け止めた。が、ダークリンクはにやり。
「悪いな」
ラディスははっと目を開いた。
「しまっ――」
空中のダークリンクの影から生成された鎖が、じゃらじゃらと音を立ててラディスの右足の太股付近に絡み付く。
ぐい、と引かれれば体勢は崩れて、ラディスの体はそのまま鎖に振り回された後、
「あがッ!」
力強く、壁に叩きつけられた。