第四章-前編-



「で、ああなった原因は何だよ」
「っクレシス!」

相手は王女様だというのに、いつもの調子で声をかけるのだからラディスは慌てふためいて。クレシスはそんな彼を横目に、

「あんなのでもうちで雇ってる戦士だからな。事情を知る権利は十分にある」

ラディスは頭を抱えて溜め息。

「……分かりました」

すると、ゼルダは右手に嵌めていた白いロンググローブを外した。そのまま右手の甲がよく見えるように差し出して。

「これは……?」

彼女の右手の甲には、三角形を三つ並べたような痣が浮かんでいた。

ラディスは怪訝そうに見つめる。

「神々が与えし大いなる黄金の大三角、トライフォース。これはその一部です」

ゼルダがそう説明すると、その痣は応えるようにうっすらと金色の輝きを放った。

これにはさすがのクレシスも目を開いて。
 
 
25/52ページ
スキ