第四章-前編-
「で、ああなった原因は何だよ」
「っクレシス!」
相手は王女様だというのに、いつもの調子で声をかけるのだからラディスは慌てふためいて。クレシスはそんな彼を横目に、
「あんなのでもうちで雇ってる戦士だからな。事情を知る権利は十分にある」
ラディスは頭を抱えて溜め息。
「……分かりました」
すると、ゼルダは右手に嵌めていた白いロンググローブを外した。そのまま右手の甲がよく見えるように差し出して。
「これは……?」
彼女の右手の甲には、三角形を三つ並べたような痣が浮かんでいた。
ラディスは怪訝そうに見つめる。
「神々が与えし大いなる黄金の大三角、トライフォース。これはその一部です」
ゼルダがそう説明すると、その痣は応えるようにうっすらと金色の輝きを放った。
これにはさすがのクレシスも目を開いて。