第四章-前編-
何やら騒がしくなってきた。
「ど、どちら様で……」
「我が輩は大魔王クッパ様だ!」
本当に突っ込みが追いつかない。
「なんでお前がここにいるんだよ!」
それまで拳を握ってわなわなと震えていたマリオは、クッパを勢いよく指差した。
「貴様が王国の何処を探してもいないからわざわざ会いに来てやったのだ」
「そうよ、マリオ!」
ピーチがずいと前に出てきて。
「貴方こそ、ここで何してるのよ!」
「……自分の力量を試したかった、的な」
「なんてアバウト……!」
ああぁっ、と頭を抱えては嘆くピーチ。
「貴様の役目は我が輩との熱いバトルだろう! 勝手なことをしおって……」
マリオはぶすっとして。
「お前こそ勝手に決めんな! 俺はな、運命なんぞに縛られて生きるのは御免だ」
「貴方には土管がお似合いよっ!」
「新手の悪口か!」