第四章-前編-
「――姫様っ」
慌てたようにヨッシーが駆け寄ってくると、ゼルダははっと顔を上げた。
「お怪我はございませんか?」
「……ええ」
そう応えて、自分の胸にそっと手を置く。
「ただ、……傷付けてしまったようです」
「気にすることないですよ!」
「あの人、いつもあんな態度ですから」
そう口々に発言しながら駆け寄ってきたのはポポとナナだった。ゼルダは苦笑にも似た笑みを浮かべて、申し訳なさそうに。
「はい。ありがとうございます」
クレシスに肘で小突かれ、ラディスはようやく発言を許された。とはいえ、相手は一国の王女様。どうにも緊張してしまう。
「あのっ!」
ゼルダは怪訝そうに視線を向ける。
「……貴方は」
「で、DX部隊のリーダーを勤めている、ラディス・フォン……で、あります!」
その口調にカービィは小さく吹き出して。