第四章-前編-



それは確かな結論だった。

「……そんなの」

リムはぽつりと呟いて。

「あたし、認めないでしゅ!」

ぱっと離れた彼女に、ラディスは目を丸くして。リムはむっとした顔で続ける。

「王子様とお姫様は絶対、ぜええったい! 幸せになるんでしゅからっ!」

そう言い切って、食堂を飛び出した。

「ほんと、子供なんだから」

サムスは小さく溜め息を洩らす。


「……違う」


そう応えたのはユウだった。

ただの一度も視線を交わさず、変わらないいつもの無表情で。今しがた出ていったリムを追いかけるべく、扉に向かいながら。

「ただの子供じゃない」

そう残して、食堂を後にする。

「……俺、見てくる!」

放っておけるようなメンツじゃない。

自分もその内の一人だろうが、とにかく居ても立ってもいられなくなったドンキーは、そう言って食堂を飛び出していった。

――静寂が訪れる。
 
 
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