第四章-前編-
「……ここにいるのか?」
ラディスが連れてこられたのは食堂だった。それまで背中を押していたユウが前に出てきて、扉をゆっくりと開く。
食堂の中は静かだった。
いい匂いに釣られて目を向けると、ヨッシーが料理を乗せた皿をテーブルの上に並べていて。そのテーブルも、珍しく白のテーブルクロスが敷かれていたのである。
「あ、ラディス」
食堂の入り口には人だかり。
気付いたカービィが振り向いて、声をかける。ラディスは隣に並んでこっそり。
「今日は何かのパーティかい?」
「んなわけないじゃん」
カービィは小さく溜め息。
「お偉いさんがいらっしゃってんの」
「……ああ」
成る程。ラディスは改めて目を向ける。
「そ、それではごゆっくり」
ぺこりと頭を下げたヨッシーににこりと笑いかける少女。金色の髪に淡いピンクのドレスを身に纏ったこの少女は一体……?