第四章-前編-
◆第四章『血の紋章-前編-』
――あれから二週間が経った。
謎の青年との接触について報告してはみたものの、マスターからの反応はいまいち。
そんなもんだよ、とカービィは言っていたがラディスは納得がいかない。とはいえ自分も賢くはないので、これといった情報も得られないまま時間だけが過ぎていき。
ラディスは再び、ハイラルに訪れていた。
「っ……」
暫く、言葉も出なかった。
以前やって来たカカリコ村より程遠くない場所に位置する小さな村……名前こそ分からなかったが、その光景はまさしく。
地獄絵図そのものだった。
「……酷いな」
一緒に来ていたクレシスもラディスの隣に並び、ぽつりと呟く。しとしとと降り頻る雨の中、生暖かい空気が気持ち悪くて。
ただ、呆然と立ち尽くしていた。