第三章
ファルコの頭上に影が差した。
「おい。オメー追い付けんのか?」
彼の頭上を飛んでヴァルバジアの後を追うのはヨッシーである。
「無理ですよぉ! もう少し、スピードを落としてもらわないと……」
「けっ。……ま、悔しいが同感だ」
ファルコはヴァルバジアを見つめて。
「無線機でも注文しとかねえとな」
「次の為に、ですね」
ヨッシーは微笑を浮かべる。
――お願いします。どうか目標地点到達までに上手くスピードを落としてください!
「我ながら無茶を言ったなぁ」
ラディスは苦笑を浮かべた。
無線機がなければ連絡手段もないが、後ろの二人が何を求めているかくらい分かる。
そもそも自分が決めたことだ。それに応えないと格好が付かないじゃないか。
――間もなくラディスの脚に青い光が走り、ばちばちと電気が擦れて。だん、と強く地面を踏みつけ、蹴り出したが刹那。