第三章
「じゃあ、配置についてくれ」
「ラディス」
不意にファルコが声をかけてきた。
「ん?」
「あんま無茶すんじゃねーぞ」
「……了解」
ラディスはくすっと笑って。
「ばっ、勘違いすんなよ!」
「分かってるさ」
そういうタイプの扱いには慣れている。
「――来たよ!」
ルイージが声を上げると、ファルコはラディスの肩をぽんと叩いてからその場を離れた。ラディスはヴァルバジアを見上げる。
「ラディスさん!」
急降下からの突進は横に飛び込むことで躱したが、直後に腰に痛みが走った。
跪き、眉を寄せる。
「くっ」
空に舞い上がったヴァルバジアが大きな火の玉を勢いよく吐き出すと、それに対抗するようにラディスは腕を伸ばして手を翳し、青い稲妻を放った。
衝突し、爆発を起こしてその場に黒煙が立ち込める。ラディスは鼻を腕で庇って。