第一章



駆け寄ってみると、成る程有名な戦士ばかりだった。政府に招待されたのだろう、とラディスは心の隅で羨ましく思って。

「困るんだよねぇー」

と、わざとらしく声を上げた青年が一人。

ラディスが振り向こうとすると、クレシスが構うなとばかりに肘で小突いて。

「初日から遅刻なんてさぁ。時間も守れないんじゃ、この仕事向いてな」
「静かにしてもらおう」

一人の男が、彼の台詞を遮った。

「……君も」

小さな舌打ちの後で、男はラディスを見つめる。ひんやりとした眼差しだった。

「自覚を持ってもらわないと困る」

ラディスは遠慮がちに頭を下げて。

男は小さく息を吐き出すと、メンバーが全員揃ったのを確認。列と向き合うようにして正面に立つと、じろりと見渡して。
 
 
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