第三章



構えるカービィを見つめ、ラディスは何となく先程の戦いを思い出していた。

あの時は二体だったが、今回は。

「さっさと済ませて地上に、うわっ!」

噴火の予兆か、唐突に地面が大きく揺れてカービィはよろめいた。ラディスも岩の壁に手を付き、リザルフォスを見遣って。

リザルフォスは――何故か後ろを振り返っている。ラディスははっとした。

「っ、まさか噴火」
「いや……」

ラディスは唐突にカービィの腕を掴むと。

「走るんだ! 急いで!」

そのまま駆け出した。

「ちょ、何なの! 理由くらい」
「あれは噴火じゃない」

カービィは怪訝そうに見つめて。

「……まさか」


この穴はヴァルバジアが掘ったものだ。

地上で他三人から攻撃を受けているのだとしたら、新しい穴をあける余裕は多分、ない。下手に掘れば、噴き出した溶岩に返り討ちにされるだろうから。

……つまり、この地響きの正体は。
 
 
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